blog - Welcome to Jinja (Japanese reason)
Welcome to Jinja Japanese reason
はじめに
神社は、日本固有の民族宗教で、日本最古の信仰形態を今日まで伝える神道の神々を祭るところです。神社は日本国内に約8万社あり、その規模や形態はさまざまです。神社に祭られている神々も、日本の神話に登場する神であったり、歴史上の偉人であったりと多種多様で、その数も多く、総称して八百万(やおよろず)の神々と言い表されます。
それではなぜ、日本には、このようにさまざまな神々を祭る、これほど多くの神社があるのでしょうか。
神道の起こり
神道の起源は、日本という国家が成立するはるか以前にまでさかのぼるものと考えられます。しかし、今日では神道の成立時期を特定することはできず、その起こりは次のように推察されます。
日本は、アジア大陸の東に位置し、国土総面積は約37万8千平方キロメートルで、狭い国土ながらも海・川・山・谷・平野があって地形の変化に富み、総面積の約70%が森林におおわれています。気候も一年を通じて比較的温暖で、およそ3ケ月ごとに春・夏・秋・冬と季節が循環します。
このような地理的・気候的条件から、古代の日本では農業や林業や漁業が盛んに行われるようになりました。これらの産業は、天候など自然現象の影響を受けることが多く、場合によっては、その土地の人々にとって死活問題になることもあります。このような人間の知恵や力ではどうすることも出来ない自然現象を神々のなせる業と捉え、雨の神・風の神・山の神・海の神・川の神・雷神などに対する信仰が芽生えたものと考えられます。
また、どの産業もその土地の人々の協同なしには成り立ちません。この連帯はやがて村と呼ばれる共同社会の形成へと発展していきました。そして、これらの自然神をはじめ、産業を守護する職能神や祖先神など、人々の生活に深くかかわる神々に村の平安と繁栄を祈願し、その神恩に感謝する祭りが重ねられ、次第に神道として自覚されるようになってきたのです。
神社の起こり
今日、神社では、神は社殿に祭られているのが一般的です。しかし、もともとは、年数回の祭りのたびに、神聖視される山や森や川辺で、特定の木や岩に神々を招く形で祭りが行われていました。
これらの祭りは野外で行われていましたから、やがて、風雨などから祭場を守るために屋根や小屋が常設されるようになり、これがもととなって神も社殿に祭られるようになったものと考えられます。
現代でも建物を新築する際、榊(さかき)と呼ばれる常緑樹にその土地の守護神を招いて、工事の無事進行と土地建物の安全堅固を祈る地鎮祭(じちんさい)という祭りが行われています。古代の祭りの形式はこのような形で現在にまで伝えられています。
神社は日本独特のもので、外国語への翻訳も神社としか言い表しようがないのですが、英語では一般的にShrineと訳されています。
神道の神々
古代人の精神生活を現代に伝える神話や伝説は、世界中のどの民族にも存在する貴重な文化です。日本には、天皇の命を受けて編纂された『古事記』〔和銅5年(西暦712年)‥現存する最古の書〕や『日本書紀』〔養老4年(西暦720年)〕という書物があり、これには豊かな内容の神話が記されています。
これらの日本神話によりますと、世界の始まりを次のように語っています。天地のはじめの混沌(こんとん)とした中に神々がお生まれになり、その最後にお生まれになった男神《伊邪那岐命(いざなぎのみこと)》と女神《伊邪那美命(いざなみのみこと)》が夫婦になられ、その間に国土や自然、日本人の祖先などの神々をお生みになったと。
古代の日本人は、この世に存在するすべてのものを霊的な存在と認識し、神々と自然と人々との関係も、兄弟姉妹のような密接不離の関係と捉えていました。そして、人間の知恵や力を超え、良くも悪くも人間に大きな影響を与える働きに神々の力を見出したのです。ですから、神道では、八百万と表現されるほど多くの神々を信仰の対象にしており、神話に記載されている神々だけでなく、社会にとって尊い存在である天皇や偉人なども神として祭られています。
これらの神々の中で最も貴い神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。この神は皇室の祖先神であるとともに、日本人の親神(総守護神)としても信仰され、三重県伊勢市の神宮に祭られています。日本人はいつの時代も、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が主食として稲種を授けられたという神話にもとづき、天皇を中心に皆が力を合わせて日本という国を築きあげてきたのです。米づくりと神々への祭りは、日本民族の精神的支柱を体現したものと言えます。
神は英語でGodと訳されることがありますが、神道では天照大御神を最も貴い神としながらも、この神を全知全能や唯一絶対と捉えることはなく、他の神々との問に上下関係や優劣関係もありません。人間と同じように神々にも個性があり、それぞれの神が有する個性を御神徳として信仰しているのです。
二千数百年に及ぶ長い歴史の中で、神道が断絶することなく現在まで継承されてきましたのは、その根底に先祖に対する思いがあったからに外なりません。神々に対する祭りは、先祖の霊に対する祭りでもあるわけです。《これを神道ではけいしんすうそ敬神崇祖と言います。》
神社での祭
神社には、年間を通してさまざまな祭りがあります。この中で全国の神社に共通する代表的な祭りとしては、日本人の主食である米作りに合わせて行われる、春の豊作祈願祭(祈年祭:きねんさい)と秋の収穫感謝祭(新嘗祭:にいなめさい)があげられます。この祭りは、毎年の恒例祭祀として、全国の神社のみならず皇室でも同様に行われ、民間でもこの時期に合わせてさまざまな行事が行われています。
また、神社には、年に一度か二度、祭神誕生や神社創建などの由緒ある日に行われる例祭(れいさい)または例大祭(れいたいさい)という祭りがあります。この祭りはそれぞれの神社にとって最も重要な祭りと位置付けられています。祭神や由緒が神社によって異なるように、祭りの行われる日も神社によって異なり、一様ではありません。
このほか、神社では、6月と12月の末日にすべての罪(つみ)・穢(けがれ)を除去する大祓(おおはらえ)という神事や、子供の健やかな成長を願う七五三・結婚式などの人生儀礼、家内安全・商売繁盛などの個人祈願に関する祭りも行われています。
神道の信仰
神道は自然に発生し、日常生活に密着する形で信仰が継承されてきたことから、成文化された教典や戒律といったものはありません。長い年月をかけて培われてきた道徳的・倫理的基準や法制規則が神道の生活律であると言えます。
また、人の生命は神々から授かった清らかなものと考え、キリスト教に見られる原罪といった観念はありません。しかし、人は日常生活の中で悪い心に惑わされたり、他人の心を傷つけたりすることがあるものです。このような過ちを罪・穢と捉え、祓(はらえ)や禊(みそぎ)をして常に清浄・正直な人間であることに努めます。
そして、それぞれの立場で与えられた使命をまっとうし、世のため人のために尽くしながら一所懸命に生きることを第一義と考えています。
神社の施設
神社は鬱蒼(うっそう)とした森の中にあり、社殿は木造建築が主流です。神社に来られて最初に目を引くのが、入口に建つ特徴ある門でしょう。この門を「鳥居(とりい)」と言い、この内側からが神の鎮まる神聖な場所であることを示しています。鳥居は、およそ縦2本の柱と横2本の木材で構成されていますが、形体や材質、設置されている数は、神社によって異なります。日本地図では、この鳥居の形が神社の所在地を表す記号として便用されていることから、神社の象徴にもなっています。
鳥居をくぐり、神社の中心となる社殿へと進みます。途中に、石の水盤を屋根だけで覆った建物がありますが、これを「手水舎(てみずや)」と言います。神前に進む前に清らかな水で手と口をすすぎます。この手水(てみず)は海や川に入って身体を清める禊(みそぎ)という行事を筒素化したものと考えられます。
社殿に通じる道を「参道」と言い、ここを通っている間に気持ちを鎮め、神にお参りするための心の準備をします。神社によっては、獅子のような石像を見かけることがありますが、「狛犬(こまいぬ)」と言います。左右一対になっていて、神社を守るための一種の魔除けと考えられています。狛犬は燈籠(とうろう)などとともに、地元の人々がその土地の平安や発展を願って神社に奉納されたものです。
さあ、いよいよ神社の中心、神の鎮まる社殿です。普通は奥にある建物に神が祭られていて、これを「本殿(ほんでん)」と言います。手前の建物は「拝殿(はいでん)」と言い、ここでお参りをします。この本殿と拝殿の間には、神に捧げ物をするための「幣殿(へいでん)」と言う建物を備えた神社もあります。これらの建物は連結していたり独立していたり、あるいは本殿や拝殿だけのところもあったりなど、社殿の形状や規模は、鳥居と同様、神社の祭神や由緒などによって異なります。
お参りは、お賽銭(さいせん)をあげ、2回頭を下げ、両手を合わせて2回手を打ち、もう1回頭を下げる作法で行います。この作法は、神への真心を形に表したものです。貨幣がなかった時代には、お米などが捧げられ、今日でもこの風習は残っています。
神社にはこのほか、祭りの準備や神社の事務を行うための「社務所(しゃむしょ)」と言う建物やお守り・お神札(ふだ)を受ける「授与所(じゅよしょ)」と言う建物があります。お守りは肌身につけて、お神札は家庭や会社などで神棚に祭って、日常的に神の恵みをいただくためのもので、大切に扱います。
以上が全国のおおかたの神社に共通する施設です。
おわりに
神社は日本人の心の故郷とも言われ、日本民族の長い歴史と、その流れの中で培われてきた伝統文化が凝縮されたところと言っても過言ではありません。人は育った環境によってものの見方や考え方が異なりますが、日本人の深層心理には神道観が大きく影響しています。
また、神社にはたくさんの樹木がありますが、これは、古代より日本人が森を神々の鎮まる神聖な所と捉えてきたことに由来します。神道と自然は切っても切れない関係にあるのです。近年、環境問題が国際的にも認識されるようになってきましたが、神道では、その有する自然観から、畏敬と感謝の念をもって自然と接することの重要性を提唱しています。
さて、あなたは神社に来られてどのような感想をお持ちになられたでしょうか。このウェブサイトが、神道や神社だけでなく、日本という国をもう一歩すすめて理解するための一助になれば幸いです。
